沖縄県民巨大化計画?

スーパーなど、人の多くいるところに行くたびに太った人が多いなと思う。実際に沖縄は全国一肥満の人が多いことがデータで示されている。30代以上で肥満(=BMI25以上)の人の割合は男性が46.9%、女性が26.1%で、男女とも2位以下に大きな差をつけての1位。(詳しくはこちら。)
肥満が増えれば病気も増える、医療費がかさむ、というわけで自治体が住民に減量プログラムを提供するなどしている。出版社からは沖縄でよく食べられるメニューに特化したカロリーブックなんかも出ている。
とにかく肥満を減らそう!という取り組みがあちこちでされているわけだけれど、こんな流れに無関心というか、むしろ県民の肥満を促進させたいのか?と思ってしまうのが、沖縄のパンメーカーと飲料メーカー。


特売日のスーパーに大量に並んでいる菓子パン・惣菜パンと清涼飲料水を見てみよう。どれも定価150円前後のものが98円程度で売られている。
菓子パンはどれもこれも大きい。子供の顔くらいの直径で厚みもたっぷりなメロンパン。これより少し薄いが幅は二つ分くらいのメロンパンもある。表面にはグラニュー糖がたっぷりまぶしてある。よく見ると横に切れ込みが入っていたりもする。クリームでも挟んであるのか。
その隣にはこれまた大きな、白い脂っぽいクリームが巻き込まれた渦巻きパン。表面に砂糖で作られたアイシング様のものがたっぷりかかった、シナモンロール風の大きくて丸いデニッシュ生地のパン。あんパンやクリームパンも何だか妙に大きくて、重い。
惣菜パンもどれもこれも大きい。そしてたいていのものには必ず「マヨネーズ」と「チーズ」が使われている。包装の内側は油でテカテカ光っている。
その横には、スポンジ生地で白いクリームをくるくる巻いただけのロールケーキのようなものが、うず高く積まれている。


食べ物に対してこういう言い方はするべきじゃないが、でも言うが、どのパンもものすごく粗雑に作られたものという感じだ。


見ているだけで何となく疲れる。特売じゃないパンの棚に目を移してみよう。
食パンや何も入っていないパンなどのごく普通のパンももちろんある。でも上記のパンみたいに大量に安く売られることは滅多にない。
近頃、雑穀を使ったパンを新しく見かけるようになった。これならヘルシー(笑)なんじゃない?手に取ってみる。コッペパン(死語?)型のパンが袋に5本くらい入っている。
商品名に「○穀マーガリンサンド」とある。


…何故わざわざマーガリンを入れる?
ただの雑穀パンにしておけばいいものを、何故わざわざを挟まずにいられない?
マーガリンをつけて食べたい人が、買ってから自分でつければいいだろう?
最初からわざわざマーガリンを入れてある(複数のパンメーカーから出ているこの種の雑穀パンはたいていどれも最初からマーガリンが挟んである)のは、それが沖縄の人々の嗜好に合っていて、そのほうがよく売れるからだろうか。これだけ肥満の人が増えて、何とか改善しなければと危機感が高まっているさなかにこういう商品を売り出すのは、製パン業者は消費者の健康など全く意に介していないとしか思えないのだが。


パンについてはこれくらいにして、清涼飲料水の売り場を見てみよう。
パッケージにはオレンジとかアップルとか書いてある。でもどれも果汁10%以下のものばかり。マスカットとか桃とかいった高級(!)な果物の飲み物に至っては果汁1%なんてのもある。
申し訳程度に果物の味がする砂糖水。
その他にはカフェオレ、レモンティー、ミルクティーなどもある。私が昔飲んだことのあるものとあまり変わっていなければ、どれもコーヒーや紅茶の味など分からないほど、というか、こめかみが痛くなるくらい甘い飲み物だろうと思う。
乳酸菌飲料系のものも幾つかある。どれも甘ったるそう。成分表を見ればカロリーも高い。


こんな特売日に、だらしない服装をした、だらしなく太った親子が、こういうパンや飲み物や惣菜の揚げ物なんかをカゴに山盛りにしてレジに並んでいるのを見ると、暗澹とした気分になる。


安くて量の多い食べ物がよく売れる沖縄の事情は分からんでもないが、それにつけ入るような(と見える)商品は徐々にでも減らし、普通に摂っていれば健康的な商品をこそ安く提供する責任が沖縄のメーカーにはあると思うけどねぇ。



台北・迪化街 '06年8月