懐かしマークII

台風12号の影響で外は強風と雨。外に出る気にもなれず、なんとなく点けていたテレビで「The Swan」(FOX)を見る。これは美容外科医、歯科医、トレーナーや栄養士やセラピストから成るチームが、容姿や性格にコンプレックスを抱える女性を心身ともに美しく変身させる、という番組。
日本にも似たような番組があるが、この「The Swan」は「まずは手術(脂肪吸引や豊胸など)ありき」らしいところが、日本のそれとは違う気がする。
その後には顔の皮膚が一旦全部かさぶたになって剥がれてしまうほどのレーザー美顔、外科手術並みの歯並び矯正・漂白などの施術。それに1200kcal/日のダイエットに運動、カウンセリング…と、とにかく大掛かりな上にメニューが多いこと。挑戦者の女性2人はプログラム終了までの3ヶ月間は家族にも会えず、生まれ変わりつつある自分の姿を鏡で見ることもできない隔離された状況で過ごす。
そして3ヶ月後、テレビスタジオに招かれた彼女らは、そこに置かれた鏡で初めて美しく変身した自分と対面。美しい自分に涙し、支えてくれたチームの皆と抱き合って涙する。美しく変身した女性2人が、互いに健闘を称えあって涙する…


いかにもアメリカらしいな、と思うのはこの後。2人とも美しくなって良かったね!それではまた来週!では終わらない。2人のうち1人は「美人コンテスト」出場者に選ばれ、数十万ドル相当の賞金と賞品を贈られるが、もう1人は手ぶらで家に帰れと言われるのだ。こんなのを見聞きする度、アメリカ人は人生の全ての局面が「勝ち」か「負け」のどちらか一つでないと気が済まないんだな、全ての人間を「勝者」と「敗者」のどちらか一方にしないと気が済まないんだな、と思う。


画面では「勝者」の女性も「敗者」の女性も互いを誇りに思うと称えあう。「敗者」はこの番組に参加して自分に自信を取り戻せた、多くを学んだ、などと喜びを語る。見た目はWIN-WINシチュエーションのようだ。だが現実には一方は名誉と多額の金品を手にし、もう一方は手ぶらなんだから、勝敗は明らかだ。


ところで、今回の挑戦者の女性の1人は陸軍兵だった。右の二の腕には黒々と日本語の刺青が。





…楽しみ?楽しみ?何だろう。「JOY って日本語でどう書くの?それにして!」とでも言って彫ってもらったのかなぁ。
外国人(というか日本に駐留経験のある米兵)の爆笑ものの日本語刺青の話を聞くたび、彫り師は(日本人なら)ちゃんと言葉の意味なり何なり説明して、「本当にこれでいいか」を確かめてからにするべきだろうと思う。
日本のあらゆるものに溢れている珍妙な英語?も困りものだけど、刺青となると取り返しのつかないこともあるんだし。
でも「日本語で FREEDOM でお願い!」と言われて「チーズちくわ」って彫るとか、「日本語で JUSTICE でお願い!」と言われて「自己破産」って彫るとか、面白そうだよね。ダメか。