(文中敬省略)
山本リンダの歌でずーっと気になっているものがあった。歌詞は一番最初の「はらはらさせてごめんね」しか覚えていないが、メロディは全部覚えている。可愛らしい曲。ささやくように歌っていた。
気になって仕方ないので、CDを借りてきた。


ベスト

ベスト


「きりきり舞い」という歌だった。すっきり。
「ささやくように」というよりは「けだるい感じで」歌っている、かな。
可愛らしい歌だけど、「退屈なときは死にそうになるのよ」と思ったことをストレートに言葉にしたり、「(私が悪い女だから)あなたの人生を狂わせて悪いことをしたと思うわ」なんて男を上から見下ろして言い放つあたりは、やはりリンダ様w


これとは別に懐メロばかりのCDも借りた。その中に小坂明子の「あなた」があった。
改めて聴いてみると、これは恐ろしい歌だったんだなと思った。歌詞はこちらを参照。


今になって、この歌のどこにも、「あなた」が「わたし」と結婚に至るまでに親しい間柄だったと客観的に判断できる部分が全くないことに気付いた。
「あなた」が「わたし」を愛していたかどうかもわからない。
「あなた」が「あなた」への「わたし」の思いを知っていたのかもわからない。
それどころか、「あなた」が「わたし」の存在そのものを知っていたのかどうかさえ分からないではないか?この歌を聴く限りでは。


「わたし」は「あなた」に一方的に思いを寄せた挙句に、脳内結婚しただけではないのか?
この歌に歌われている少女漫画のような情景(当時、小坂明子は16歳だった)、愛する男性との幸せな生活を彩るさまざまな可愛らしいモノたち -- 「坊や」はモノじゃないけど -- も、何もかも全て彼女の妄想ではないのか?


「小さな家」「大きな窓と小さなドア」「古い暖炉」「真っ赤なばらと白いパンジー」「子(小?)犬」。欲しかったのに手に入らなかったモノをあれこれと並べたて、「それが私の夢だったのよ」と言う。
それからまた別のモノを並べたてる。「ブルーのじゅうたん」「坊や(二人の子供)」「レース編み」…そしていつのまにか「私の夢だった」ことは「二人の望みだった」に格上げになっている。怖い。


あれこれと具体的な妄想を重ねたものの、妄想は所詮妄想。はなから実現するはずもなかったことを、果たして実在するのかどうかも私達にはわからない「あなた」に未練がましく恨みがましく歌って聞かせていたのがこの歌だったのだなぁ。
一方的に思いを寄せているだけの男が他の女性と一緒にいるのを見て勝手に敵愾心を燃やし、ストーカー行為をしてでもあなたを奪い返すからね!と宣言する歌もあったが(これねw)、いやー女の人って怖いですねぇ(笑)。




台北士林夜市で見つけたadidasのニセモノ…



…じゃないな… '06年8月