こっちがホント


12月24日からの続きです。ネタバレ満載ですのでご注意を。どうしてもゼロの話ばかりになってしまう…。でもゼロ THE MOVIEだし。

  • 前作「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」では、年若いゼロの父親にしてはセブンの声がちょっと…だったのが残念だったのだが、今回は違和感なく、渋くてかっこいいお父さんでした。
  • グレンファイヤーさんは超カッコいい!でも面白過ぎる!その登場から衝撃的。グレンさんと炎の海賊のおかげで、今回は結構笑えました。「銀河伝説」は状況がシビアすぎて、終わり間際に少しほっとする場面があったくらいだったのと全く違って、よかった。
  • ミラーナイトの体育座りがネタにされてますね。ミラーマンがインベーダーに捕まってエネルギー爆弾を埋め込まれる回だったか、ミラーマンが幻覚を見ているような映像で、ひざを抱えたポーズでプカプカしている場面があったように思うんですが、それのオマージュかな。そんな変なオマージュはないか。
  • ランが奇跡的に助かった後にナオは「あれ以来兄貴はちょっと変だ」と思うだろう。ランがゼロに憑依した後のこの兄弟のやりとりはどうなるのかが気になってたんだけど、そうか、ストレートにきたね。隠し事をしたままその場その場を取り繕うなんてゼロの性分じゃない。ランはゼロを信じてナオを託した。だからゼロはゼロとして「俺は君を守る」とナオに約束した。ナオはラン兄貴の最後の願いを聞き届けてくれたゼロを信じて受け入れ、兄貴とまで呼んでくれる…多分ゼロは慎重に考えを重ねた末にナオにありのままを話したんじゃなく、直観的にこの、結果的に完璧に正しい判断を下したんだろう。
  • 「ラン兄貴はどうなったんだよ!」戸惑いと怒りをぶつけるナオの目をしっかりと見据え、今のランと自分の状況とを包み隠さず説明し、俺は君を守る、兄貴も時が来れば元気に戻ってくる、とナオに約束して安心させ、ナオに自分を受け入れてもらうことができたゼロ。粗暴だけど本当は優しくていいヤツなんだろうね多分、というイメージは「銀河伝説」の時からあったけれど、それどころでなく、他人の辛い気持ちを真摯に受け止めて自分のものとし、その人と心から理解しあうこともできる人物として描かれていたように思う。でも弟がナオで良かったね。ゼロの話をすぐに理解して受け入れたんだから。普通はああはいかないよ。それにしてもいいお兄ちゃんぶりだったよゼロ。
  • ランと、ランの姿をしたゼロを演じた小柳友さん、ウルトラの物語世界にはあまり馴染みがなかったと思うけど、この難しい役を完璧に演じていて素晴らしいです。ランの姿で目覚めたばかりの時、不思議そうな顔でランの髪や服に触るゼロ(髪も服もウルトラマンには異物だもんね)、「兄貴」としてナオと言葉を交わしながらも戸惑い気味で少しうわの空なゼロ。そして、自分が辿り着いたこの別の宇宙でも暴虐の限りを尽くしているのがあのベリアルと知った時のゼロ。叫んでも拳を振り上げても蹴っても開かないジャンバードの扉に激しい怒りをぶつけ、悔しさに肩を震わせるゼロはもう、私たちのよく知るあの熱血漢だった。ランの姿は、それを借りている全くの別人の仮の姿でしかなく、ランはそこにはいない。この感覚を掴むのに苦労したと小柳さんは仰っていたが、それを見事に自分のものにされていた。敬服しました。
  • エメラナ姫(土屋太鳳さん)。それはもう美しく、気品にあふれ、あどけないようで、王女の威厳も備わっている。普段のお写真を見ても、もうお姫様にしか見えません。全てを失ってジャンバードにただ一人、無表情だった彼女がゼロ&ナオ兄弟と過ごすうちに笑顔を取り戻す。やがて彼らとその仲間と共にベリアル軍との戦いに身を投じ、仲間の窮地を救うために自らを犠牲にする決意をする…。これまでのウルトラヒロインにはいなかったタイプの、美しく強い姫君を堂々と演じてました。ゼロとの別れはちょっと寂しそうだったのかな。ティアラを頭につけてくれたゼロ、多分女の子と二人きりで話をするなんて慣れてないだろうから照れ隠しなのか、ぶっきらぼうだったけど、優しかったもんね。

ここで一旦up(22:03)