「ウルトラマン伝説展」

4月27日から開催されていた「ウルトラマン伝説展」の会期が残すところ3日間になった。会場は家から近いから何度か足を運ぶつもりだったのに、結局初日の後は一度も行っていない。滅多にない機会だから見納めをしておかねば、と会場へ。


平日昼間だが、やはり会期終了間近なせいか、思っていたよりも多くの人たちが来ていた。休日は家族連れの子供さんが多くて場内は大変な騒ぎらしいけれど、今日は子供の姿はちらほら。なので場内のあちこちにいる、案内や監視をする係の人も今日はそれほど大変じゃなくて気楽なのだろう。いい年をして一人で見に来ている女が珍しいのか、展示を見ている私に気軽に話しかけてくる。


ウルトラマン」の主要エピソードが写真パネルと解説とで紹介されているコーナーでは、いくつかのエピソードの名場面が映像で見られる。この日私に話しかけてきた案内係の女性はこんなことを言った。
…ここに座っててね、テレビ(「ウルトラマン」を映しているモニタ)は見えないけど、声は聞こえるでしょ、それで私ね、どうしてウチナー(沖縄)芝居をやってるんだろうと思ったの、だってね、「スーよ〜、スーよ〜」って言ってるから。
(彼女が聞いていたのは、「まぼろしの雪山」で雪ん子がウーに「ウーよ〜、ウーよ〜」と呼びかける場面)
だってね、沖縄でね、スーっていうのはお父さんのことなの、だから「お父さーん、お父さーん」って言ってるって思ったの、とっても悲しそうにしてるでしょ、だから悲しいお話なんだなーて思ったの。
ほらね、ウーって怪獣の名前だって知らなかったでしょ、だから。
…(「伝説展」が)始まった時はウルトラマンも怪獣も何も全然分からなかったけど、毎日こうして見てるうちにだいぶ分かるようになってね。子供たちはね、本当に(ウルトラマンや怪獣が)好きなんだなーって、分かる。
…あのね、ほら、同じ怪獣がふたついるでしょ、外にいる大きいのと、そこにある小さいのと。
(前者は「怪獣無法地帯」のジオラマと一緒に展示されている原寸大?のピグモン、後者はケースに収められた、高山良策氏が晩年に製作した高さ30センチほどのガラモン)。
大きいほうのはね、何だかさみしそうな、悲しそうな顔しててね、小さいほうは人相が悪くてね(笑)…


会場のあちこちにいる彼女らは(多分)ボランティアの、年配の女性の皆さんたち。恐らくこれまでウルトラマンや怪獣のことなど何一つ知らなかった人達がほとんどだと思う。そんな人達でも「ピグモンは優しそうで悲しそうだけど、ガラモンは人相(?)が悪い」などと感じとってしまうあたり、やっぱり「ウルトラ」はすごい、と思うのはファンの贔屓目か(笑)。
ウルトラマン」をウチナー芝居かと思った、なんて話を中高年の女性二人がしているのを金城哲夫さんが見ていたら、どんな顔をされただろう?