カニステル

10日ばかり前に「カニステル」という果物を2個もらった。かぼちゃみたいな味がするんだそうだ。
まだとても固くて食べられそうになかったので数日そのままにしておいた。その後、熱を出して寝込んだりしてまたしばらく食べられそうにないと思い、冷蔵庫に入れた。
また数日経って、冷蔵庫のカニステルを見てみたら、まだ固いままなのに表面のツヤがなくなって、少ししなびたみたいになっている。
ありゃ、失敗したか。亜熱帯・熱帯の果物は冷蔵庫に入れてはいけないんだったっけ。


とにかく食べてみないとなぁ、と包丁を入れてみた。固い。見た感じは生の栗かぼちゃか、まだ熟れてない柿みたい。
一口大を切り取って、食べてみた。
…うっ。渋い。粉っぽくてボソボソの果肉が口の内側全体に貼りついたようになり、渋さで口の中がヒリヒリする。
ダメだ、これはとてもじゃないけど食べられない。いただいておいて申し訳ないと思いつつ、どうにもならないのでゴミ箱へ。



2日後の今日。もう食べないつもりで食卓に置いておいたもう一つのカニステルを触ってみると、すっかり柔らかくなっている。
あ、これはやばい。切って、少し食べてみる。
ほんの一昨日のボソボソと渋さが嘘のよう。まさに栗かぼちゃの煮物か、焼いものような甘さで、ねっとりしている。
しかしとにかく濃厚で密度が高くて重たい。半分も食べないうちに何だかお腹が一杯になってしまった。食感からそう思うだけだけれど、アボカドみたいに脂肪分もあるのかも。


カニステル初体験の巻でした。