夜遅くになるまですっかり忘れていたけど、今日6月16日はBloomsdayでした。
ジェイムス・ジョイスの長編小説「ユリシーズ」の舞台になったのが1904年6月16日のダブリン、主人公の名前がLeopold BloomってなわけでBloomsday。今年は101回め。毎年この日には世界中からダブリンにJoyceansが集まり、ガイドブック片手に小説の流れに沿って登場人物と同じ道程を歩いたり、登場人物が立ち寄ったお店(小説に出てくる場所や店などは全て当時実在した)を訪ねたりします。街の至るところで、登場人物になりきっている人たちの他、20世紀初頭の服装に身を包んだ人々を多く見ることができます。

私は1990年6月16日、Bloomsdayのダブリンにいました。小説の始まりの場所、サンディコヴのマーテロ塔(aka ジョイスタワー)近くのレストランでブルーム氏の妻モリーの独白(第18挿話「ペネロペー」)を聞きつつ、その日のブルーム氏と同じメニューの朝食(第4挿話「カリュプソー」)をとったのを皮切りに、現存する場所、すでに廃墟と化している場所あわせ、「ユリシーズ」ゆかりの場所を多く見て回りました。
第15挿話「キルケー」の舞台、かつての夜の街だった現在のコーポレーション通りは低所得者の居住地域のようでしたが、見慣れないよそ者(私とドイツ人男性2人)が歩いているのを見た子供たちが何やら喚きながら石を投げてきました。
ツアーの最後は第13挿話「ナウシカア」の舞台、サンディマウント海岸。小説とほぼ同じ時間(午後8〜9時)にそこにいたのですが空はまだ明るく、花火が上がっても(ブルーム氏は海岸で、花火の上がる中を美少女ガーティ・マクダウェルをおかずによろしくないことをする)あまり見えなさそうだなと思いました。

あれからもう15年か…また行きたいなぁ。ダブリンもずいぶん変わったんだろうな。