市役所やら郵便局やらに行ってあれこれと小さな用事を済ませ、駅前の西○で買い物をして帰ろうと思ったが、どうにも眠くてだるいので、その前にコーヒーを飲もうと思った。
駅前にはスターバックス(以下スタバ)とドトールがある。どうもスタバやタリーズでの紙(プラスティック)コップで飲むスタイルが好きになれない私はドトールに入ったのだけれど、ドアを開けた瞬間「…しまった…」と思った。店内はタバコの煙が充満していた。しかし小心者の私は店員さんの、ハワイのコーヒー農園の空のように明るい「いらっしゃいませー!」の声に背を向けて店を出ることは出来なかった。
注文したアイスコーヒーを受け取って「禁煙席」へ。この席に座ったらタバコすわないでね!みみりんとおやくそくよ!というだけのこと、何の仕切りもない店内の一角の、テーブルに「禁煙」を示す小さなシールが貼られただけの「禁煙席」に一体何の意味があるというのか。
やっぱりスタバにしときゃよかった、さっさと飲んで退散するべし、と、すぐ左隣の4人掛けだか6人掛けだかのテーブルに陣取ったじいさま達から排出される煙にまみれつつアイスコーヒーをすすっていた。


右隣のテーブルでは2人の女性がお喋りに夢中。一人は年配、もう一人は若い。若い女性は年配の女性のことを「先生」と呼んでいた。「先生」は自分語りがお好きなようだ。息子がピアノを習いたいと言い出したらすぐにピアノを買い与えた。息子がサッカーをしたいと言ったらすぐにサッカーのチームに参加させた。子供に団体のスポーツをさせることは素晴らしいこと。そして子供の要望を何でもすぐに叶えてあげることは親として素晴らしく正しいこと。そんな親である私。そういった話が延々と続く。それを有難そうに拝聴している若い女性。彼女らの話を聞くともなしに聞いてしまって、疲れた。


引越の片付けが一段落して…いや、実際にはまだ片付いてはいないが、飽きたのでしばらく中断している…ここに来て疲れが出たんだろうか、どうも気分がささくれ立っているらしい私である。